キレイに仕上がる!同人誌印刷用データ作成のコツ(前編)

初めて作った同人誌。印刷会社にデータを入稿してから届くまで、待ち遠しいですね。
だけど、ようやく手元に届いた本を見て驚くこともあるでしょう。

「文字が切れてて読めない!」「線が消えてる……?」「読みにくい……ッ」

どうしてそんな仕上がりになってしまうのでしょうか。
前編と後編の2回に分けて、このような仕上がりになる原因や、それを防ぐ方法について紹介します。

目次

塗り足し

「塗り足し」をキチンと作ってデータを作ったのに、紙の端に妙なフチがついている等の違和感がある仕上がりになっている場合、誤った塗り足しの付け方をしている可能性があります。

ここでもう一度、塗り足しについておさらいしましょう。

塗り足しとは

断裁の際には多少のズレが最大3mm~5mm程発生します。そのズレが発生しても紙の端に白場(用紙の色)が出ないようにするための予備の領域が「塗り足し(裁ち落とし)」です。

塗り足しが必要となるデータは以下の図のように、「全面に背景色や柄があるデザイン」や「写真やイラスト・図形が紙の端まであるデザイン」が該当します。

つまり、「塗り足し」は「全面に配置されている背景色や柄」で塗りつぶされているべき範囲で、「写真やイラストの端」が塗り足し部分に被るように配置されているべき範囲です。

以下の図を参考に、塗り足し部分が正しく作成されているか確認しましょう。

文字切れ

裁断の際には最大3mmのズレが起こります。
そのため、仕上がり位置ギリギリ(仕上がり位置から内側3mm以内)に配置されている文字は、一部切れてしまう仕上がりとなる恐れがあります。

切れて困る文字は、全て仕上がり位置(断裁位置)から3mm以上内側に配置してください。

読みやすさを重視するのであれば、【仕上がり位置から10~20mm程余裕をもつ】のがおススメです。

断裁時のズレは技術上防ぐことができません。
断裁時のズレは最大3mm起こります。
断裁時のズレは一定ではありません。本ごとにズレ方が異なります。

切れてはいけない文字やデータは【仕上がり位置より3mm以上内側】に配置することで、文字切れを防ぐことができます。

枠切れ

上記の「文字切れ」でも紹介しましたが、裁断の際には最大3mmのズレが起こります。
デザインに枠線を取り入れている場合は、文字切れよりもさらにこのズレに注意が必要です。

「仕上がり位置(断裁位置)から3mm以内の範囲」、または「仕上がり位置(断裁位置)から3mmピッタリの位置」に配置されている、「漫画のコマ割り線」や「飾り枠」等の枠線は、断裁時に生じるズレにより一部切れてしまう場合があります。

切れて困る枠線は、全て仕上がり位置(断裁位置)から5mm以上内側に配置してください。

余白

「文字切れ」と「枠切れ」で紹介した通り、裁断の際には最大3mmのズレが起こります。
このズレが影響する点として「文字切れ」と「枠切れ」のほかに、「余白」があります。

「余白」とは、文字や文章・画像などが印刷されている紙面で、文字通り、何も印刷されないで白く残っている(余っている)部分のことです。「デザインの端を囲っている背景色だけの部分」も余白となります。
デザインの端を囲っている太い枠線」も余白です。

重要なデータが配置されていない部分なのに、断裁のズレが影響するとはどういうことなのでしょうか。
以下の例を見てみましょう。

余白部分が太い(広い)と、断裁時のズレが目立ちにくい仕上がりとなり、余白部分が均等に見える仕上がりとなります。

つまり、断裁時のズレが「余白」部分に及ぼす影響とは、【同人誌が仕上がったときの見た目】です。

断裁時のズレを考慮して余白部分を作成すれば、余白が均等に見える仕上がりになり、よりキレイな見た目・印象の同人誌となるのです。
ズレが目立たない、余白が均等に「見える」仕上がりになっているだけであって、ズレ自体は起こっています。

逆に、余白が狭いと上図のように、ちょっと見た目が残念な仕上がりになってしまいます。

イメージ通りの仕上がりの同人誌となるように、「最低でもどれくらいの余白を出したいか」を予め決めておくのがポイントです。

さいごに

今回は、キレイな仕上がりになる同人誌作成データのコツ(前編)を紹介しました。
次回は(後編)を紹介します。

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