「同人誌」の印刷を印刷会社に依頼する場合、「奥付」の記載が必要となります。
奥付とは何か? なぜ奥付は必要なのか? 奥付はどこにどのように書くべきなのか?
この記事では同人誌の「奥付」について紹介します。
また、同人誌の取り扱いについての注意文を任意で記載する場合の例文も紹介します。
奥付とは
奥付とは、誰がいつ発行したかがわかる情報を記載した部分で、責任所在の有無を判断する基準です。
本や同人誌の発行に対して責任を持つという意思の表れでもありますので、奥付がないと「発行の責任を持っていない」とみなされてしまいます。
発行した同人誌に問題が生じた場合、奥付の記載がないと問題が深刻化する恐れもありますので、「同人誌を楽しむためのルール」として、同人誌には「奥付」を必ず記載しましょう。
奥付は「責任ある同人活動を行なっている」という発行者の意思表明です。読みやすいフォントで必ず記載しましょう。
奥付の書き方
奥付は「本文の一番最後のページ」に記載するのが一般的です。「表3(ウラ表紙の裏)」に記載することもよくあります。
記載の位置にルールはありませんので、本のどこかに記載していればOKです。もちろん、本の前の方に記載しても問題ありません。
奥付に書く内容
奥付に記載する内容は、必ず【読みやすいフォント】で作成しましょう。
本のタイトル
その本(同人誌)のタイトルを記載します。
同人誌の中には、デザイン等の関係から本のタイトルが一目ではわかりにくいようなものもあります。
タイトルがわからないと、本の委託先の書店での取り扱い時に不具合が出たり、自分が参加できないイベント等で友人や知り合いに買い物の代行を頼む際にも困る場合があります。
「本当にこの本が〇〇というタイトルの本で合っているのか」を確認するための項目として、奥付に本のタイトルを記載しましょう。
発行年月日
「その本を発行した」とする日を記載します。
その本を配布するイベント(同人誌即売会等)の開催日を発行日とすることが多いようです。特に決まりはありません。
発行日を明記しておくことで、「同人誌の内容を模倣され無断で配布される」等のトラブルが生じた際に「先に発行していた」という証拠になります。
また、発行日を記載することで整理がしやすいというメリットもあります。
発行者名(サークル名)
その本を発行した「発行者名」を記載します。普段使っているペンネームでOKです。
同人誌即売会(イベント)参加の際に決めた「サークル名」も一緒に載せます。
※「発行者名」が明記されていれば「サークル名」の記載がなくても構いません。
連絡先
購入者が発行者と確実に連絡をとることができる連絡先を記載します。
連絡先は、購入した同人誌(本)に乱丁などの不備が見つかった場合に、購入者が発行者と連絡を取るために必要となります。そのため、連絡を取るために会員登録の手続きを必要とする連絡先(pixiv、Twitter、mixi等SNSのID)のみの記載は適していないとされています。
印刷会社名
同人誌の印刷を注文した印刷会社を記載します。
各同人誌印刷会社のホームページに奥付へ記載する印刷会社名の指定がありますので、必ず確認して記載しましょう。
1字違うだけで、まったく別の会社の名前となる場合がありますので注意が必要です。
同人誌の奥付にご記載いただく当社(西岡総合印刷)の社名は、以下のようにお願い致します。
- 西岡総合印刷 Dメイト
- Dメイト
- 西岡総合印刷株式会社
注意点
奥付に記載する連絡先は個人HPのURL、メールアドレス等が適切とされています。
連絡先は、購入した同人誌(本)に乱丁などの不備が見つかった場合に、購入者が発行者と連絡を取るために必要となります。
そのため、確実に連絡をとることができる情報である必要があり、連絡を取るために会員登録の手続きを必要とする連絡先(pixiv、Twitter、mixi等SNSのID)は適していないといえます。
これらのID等を載せる場合は、個人HPのURLやメールアドレスと併記しましょう。
・メールアドレス(有効なもの)
・メッセージ機能がある個人サイトのURL
・メールアドレスとSNSのIDを併記している
・SNSのIDのみ
・メッセージ機能がない個人サイトのURL
・SNSのURLのみ
読みやすいフォントで正しい情報を記載しましょう。
印刷会社名の表記が間違っていないか、連絡先のアドレスに間違いはないか等、内容に誤りがないことを確認しましょう。
また、いくら正しい内容でも読みにくければ意味がありません。読みやすい大きさ・フォントの文字で奥付を作成しましょう。
同人誌に記載する注意文 文例
同人誌には多くの場合、「注意事項」や「禁止事項」が記載されています。
これは、購入者(読み手)への「この本がどういうものか」「この本の扱い方」等を知らせるものであり、トラブルに巻き込まれないための配慮です。
また、発行者(著者)を守るためのけん制でもあります。
「注意事項」「注意文」「禁止事項」はあくまでも「同人誌発行者からのお願い」となります。
購入者(所有者)に強制させる効力はありませんが、発行者の意思表示として書いておいて損はありません。
また、外国の方も同人誌を手に取る機会が増えてきていますので、外国語での表記も検討してみてください。
同人誌に記載されている「注意事項」や「禁止事項」には以下のようなものがあります。
同人誌の取り扱い・処分方法について
年齢制限の注意
特殊性癖・特殊設定が含まれた内容である注意
下記の例文を参考に、必要に応じてコピペ・改変して自己責任にてご利用ください。
二次創作の同人誌であるという主張
- この本は非公式二次創作作品です。
- 個人による非公式ファンブックです。
- 原作者・出版社とは一切関係ありません。
- 実際の作品や人物、団体とは関係ありません。
同人誌の取り扱い・処分方法について
- 無断転写・複写・転用・web上へのアップロードを禁止します。
- 無断転載・複製・複写はおやめください。
- ネットオークションやフリマアプリへの出品を禁止します。
- ネットオークションなどの転売行為は一切禁止します。
- SNSやネットでの無断転載を禁止します。
- 処分の際には一般の方の目に触れないようにお願いします。
- 手放す際は可燃ゴミでの廃棄をお願いします。
- 処分の際は同人誌専門の中古書店に売却、もしくは、一般の方の目に触れないようにした上で燃えるゴミとして廃棄してください。
年齢制限の注意
- ○歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします。
- この本は成人向け(R18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします。
特殊性癖・特殊設定が含まれた内容である注意
- この本には以下の内容が含まれています。「○○、○○、〇〇」
- この本には〇〇表現・○○設定が含まれています。
- この本には○○要素や○○表現があります。ご注意ください。
さいごに
今回は、奥付についての紹介と、同人誌に載せる注意文を紹介しました。
奥付の記載は同人誌を印刷する上で必ず必要となりますので、間違いのない情報を記載しましょう。