Adobe Illustrator データ作成ガイド
Adobe Illustratorでデータを作成されるお客様は、トラブルを避けるためにも、必ずこちらのページを参考してください。
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原則、単ページなら1ページにつき1データ、見開きなら2ページにつき1データで作成してください。
1データ内で複数のページを作成される場合は、1つのアートボードに複数ページを配置せず、
複数アートボードを使用し1アートボードにつき1ページ分のデータを作成して下さい
- カラーモードについて
- 特色印刷はできません。特色(DIC・スポットカラー)は使用しないでください。
- フォントについて
- 配置画像のサイズについて
- 画像のリンク切れについて
全てのデータを「同一階層」にまとめて印刷しますので同名ファイルがないかご注意ください) - トンボ(トリムマーク)・塗足しについて
- 文字切れについて
- パスについて
- ラスタライズ効果設定について(ドロップシャドウやぼかし等、「効果」を使用している場合の解像度)
- 塗りのパターンを使用する場合は、必ず「分割・拡張」処理を行ってください
- オーバープリントは使用しないでください ※オーバープリント設定は弊社で確認いたしません
- ヘアライン(極細線)について
- 他、注意点
アートボードについて
1つのアートボードに複数のページを配置せず、1アートボードにつき1ページ分のデータを作成してください。
1つのデータ(アートボード)に複数のページデータを配置することはおやめください。
※レイヤーでページを分けることもおやめください。
必ず1つの単ページ(1ページ分)、または1つの見開き(2ページ分)のみで、1つのデータを作成してください。
※CS4以降では1つのデータ内に複数のアートボードを設定することができますので、この場合には、1つのデータ内に、複数のアートボードを設定し、1つのアートボード内に「単ページ(1ページ分)」、「または見開き(2ページ分)」データをそれぞれ配置していただいてもかまいません。
複数アートボードでの場合
1ページにつき1アートボードで分けられている場合は、1つのファイルでご入稿頂いて問題ありません。
(複数アートボードはCS4以降で設定可能です)
ただし、印刷は「アートボードの番号順」となりますのでご注意ください。
アートボードの並び順ではないので、くれぐれもご注意ください。
アートボードを並び替えても、アートボードの順番は変更されないので作成時にはご注意してください。
※弊社では並び順等の確認は致しません。
カラーモードについて
カラーモードは必ずCMYKカラーにて作成してください。
カラーモードは必ずCMYKカラーにて作成してください。
〔手順〕ファイルメニュー>ドキュメントのカラーモード>CMYKカラー
※RGBモードで制作されたデータは、弊社でCMYKモードに変換しますが、その際に設定してある色の再現性が落ちる場合があります。上記手順により、CMYKモードで作成していただくようにお願いいたします。
また、RGBモードで作成したデータを途中でCMYKに変更すると、その際に色味が変わってしまいますので、作成前にカラーモードの設定をしてください。
特色について
オンデマンド印刷は4色カラー印刷のため、特色印刷はできません。
オンデマンド印刷は4色カラー印刷のため、特色印刷はできません。
Illustrator 等では、線や塗りに特色(DIC・スポットカラー)を指定することが可能ですが、特色が使用されているデータは全て当社でCMYKへ変換されます。
このCMYKへの変換の際に、予想外のカラーに入れ替わる・または一部が印刷されない等、不具合が発生する恐れがありますので、特色(DIC・スポットカラー)は指定しない・使用しないでください。
※当社では色の変換について確認できません。
ご入稿前には、必ず、データ上に特色指定がないか、下記手順でご確認ください。
〔手順〕
「ウインドウ」→「ドキュメント情報」で「選択内容のみ」のチェックをはずし、「特色オブジェクト」を選択。
以上手順で、一覧に何も表示されない状態であるか、ご確認下さい。
以上手順で、一覧に何も表示されない状態であるか、ご確認下さい。
フォントについて
フォントのアウトライン化について
データ内のフォントは、必ず全て「アウトライン(図形)化」してください。
フォント情報は、それぞれのパソコンにインストールされているフォントに依存していますので、アウトライン化されていないフォントは、別のパソコンで開くと、「意図しないフォントに置き換わってしまう」場合があります。アウトライン(図形)化されることで、文字化け等のトラブルを防ぐことができます。
〔手順〕
(1)「オブジェクト」→「全てのロックを解除」で、ロックが全て解除されていることを確認後、
(2)「全てを選択」→「書式」→「アウトライン作成」
〔アウトライン化されているか確認する手順〕
「書式」→「フォント検索」で「ドキュメントのフォント」「置換するフォント」部分になにも表示されなければ全ての文字がアウトライン化されています。
以上の手順で、アウトライン化とアウトライン化されているかの確認ができます。
トラブルを防ぐためにも、入稿前に必ず全てのデータをご確認ください。
上記手順でアウトライン化できない場合がございます。下記点もご確認ください。 |
文字の形を変形する「エンベロープ」を使用した文字 エンベロープを使用した文字データはアウトライン化することができません。アウトライン化をした後にエンベロープをご使用ください。 グラフ作成機能を使用した文字 グラフ機能を使用して作成されたグラフの場合、そのままグラフを選択してもグラフ内の文字はアウトライン化できません。 |
アウトライン化されると、文字は図形になるので、下記のような状態となります。これでアウトライン化の完成です。
データ内にアウトライン化されていないフォントが残っていないか確かめましょう。
何も表示されなければ全てのアウトライン化成功です。フォント名が表示されている場合は、アウトライン化されていないフォントが残っています。
配置画像のサイズについて
適切なサイズの画像を使うことで、データ容量が極端に大きくなることを抑えることができます。
Illustratorに配置する画像は、実際に印刷する「原寸サイズで解像度350dpi」を推奨しております。
Illustrator上で画像の大幅な縮小を行わないでください。かならずPhotoshopなどで、リサイズしてから配置してください。
なお、解像度350dpi以上の画像を印刷した場合と、解像度350dpiで印刷した場合とを比べても、仕上がりは変わりません。
解像度350dpi以上の極端に高い画像で作成されてもデータ容量が大きくなる原因となりますので、お気を付けください。
また、解像度が推奨より低ければ低いほど、画質が粗く印刷されます。
※もともと解像度の低い画像の画質を上げることはできません。また、当社で画像の解像度のチェックをすることはできませんので、お客様の方でご注意くださいませ。
画像のリンク切れについて
配置画像をリンクで表示している場合は、画像ファイルも一緒にご入稿ください。
画像ファイルがないとリンク切れの状態となり画像が表示されませんので、ご注意ください。
また、「配置画像」と「印刷に使用するIllustratorファイル(拡張子が「.ai」)」は、必ず同じ階層に保存してください。
画像を全て埋め込んでいる場合は、画像ファイルをご入稿いただかなくて結構です。
全ての画像埋め込みが完了している場合は、「印刷に使用するIllustratorのファイル(拡張子が「.ai」)」のみご入稿ください。
![]() 画像の埋め込み方法 〔画像埋め込み方法〕 〔リンク画像を確認する手順〕 ![]() |
配置画像をリンクで表示している場合はご注意ください。
リンク情報は絶対パスで保存されていますので、データを開くコンピュータが変わると、全てのリンクが切れてしまいます。 リンク切れを防ぐには「配置画像」と「印刷に使用するIllustratorのファイル(拡張子が「.ai」)」を同じ階層にする必要があります。 |
トンボ(トリムマーク)・塗足しについて
「.ai」で入稿する場合は、必ずトンボ(トリムマーク)を付けてください。
データには、必ずトンボ(トリムマーク)を必ずつけるようにお願いいたします。
トンボ(トリムマーク)は 仕上がり断裁時、必要となります。
※デザインで、タチキリを行う場合、仕上がりサイズより3mmの塗り足し(※注1)を付けるようにしてください。
(※注1)仕上がり線いっぱいまで絵柄があるデータの場合、断裁時に紙の白場(余白)が出ないように、仕上がり線より外へ3mm分、追加で絵柄を付けること。
■Illustrator CS3までの場合
〔手順 A〕 仕上がりサイズの透明オブジェクトを作成し、「フィルタ」→「クリエイト」→「トリムマーク」
※塗足し(上下左右+3mm)が含まれたサイズでトンボを付けるのではなく、「仕上がりサイズ」でトンボを作成してください。
■Illustrator CS3以上の場合
〔手順 B〕 仕上がりサイズの透明オブジェクトを作成し、「オブジェクト」→「トリムマーク」
※塗足し(上下左右+3mm)が含まれたサイズでトンボを付けるのではなく、「仕上がりサイズ」でトンボを作成してください。
〔手順 A〕![]() |
〔手順 B〕![]() |
塗り足しについて
上記右のように、仕上がりいっぱいに背景や写真があるのに、塗足しがないと、断裁の際に生じるズレ(これは技術上防ぎようがありません)で、紙の白場が出てしまう場合があります。
紙の白場が出てしまった仕上がりイメージ例
塗足しがないデータを印刷した場合、断裁後、このような仕上がりになる可能性があります。
また、仕上がり位置より内側にずれて裁断されることもありますので、切れて困る文字や図柄は
最低でも、仕上がりサイズより3mm以上内側にレイアウトしてください。
読ませたい文章などは20mm程余白を開けていただくと、読みやすい仕上がりとなります。
文字切れについて
文字の配置位置にご注意ください。
裁断の際に生じるズレにより、紙の端に白場が出るのを防ぐために「塗足し」が必要となりますが、仕上がり位置より内側にずれることもあります。
仕上がり位置ぎりぎりに文字や写真、図形等をレイアウトしていると、内側にズレて裁断された場合、切れる・欠けてしまう恐れがあります。
そのため、切れて困る文字や図柄は最低でも、
仕上がり位置から3mm以上内側にレイアウトしてください。
塗足し部分、また仕上がり位置ギリギリにレイアウトされていたため、文字が欠けてしまったイメージ例 塗足し部分、または仕上がり位置ギリギリにレイアウトしていると左図のように、裁断でカットされてしまいます。 内外、共に最大3mm程はズレてしまうと想定した上で、レイアウトに余裕を持たせてください。 ■切れて困る文字や図柄は、仕上がり位置から最低でも3mm以上内側にレイアウトしてください。 ■文章の読みやすさを重視するのであれば、10~20mm程余裕をもたせるのがおススメです。 |
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パスについて
非常にパスが多い複雑なデータは、印刷・出力時にエラーが起こる可能性があり、思わぬトラブルにつながる恐れがございます。
パスが多く複雑なデータは、画像化して印刷を行う場合がございます。
パスが非常に多く複雑なデータは、「ラスタライズ処理」を行うのがおすすめです。
パスのラスタライズ処理手順
ラスタライズ化するパスを選択した状態で、「オブジェクト」→「ラスタライズ」ラスタライズ効果設定について
Illustrator上でドロップシャドウやぼかしなどの効果メニューを使用している場合はご注意ください。
ドキュメントのラスタライズ効果設定(またはラスター効果設定)では、Illustrator上でドロップシャドウやぼかしなどの効果メニューを使用した部分の解像度を設定します。
この設定で解像度が低い(スクリーン(72dpi))と、効果部分が粗く印刷されてしまいます。
〔手順〕 ドキュメントのラスタライズ効果設定
「効果」→「ドキュメントのラスタライズ効果設定(または、ラスター効果設定)」
「カラーモード」→「CMYK」
「解像度」→「高解像度(300dpi)」
※一度72dpiの設定で適用された効果を、作業中に300dpiの設定に変更すると予期せぬ不具合が起こる場合がございますので、変更の際はくれぐれもご注意ください。
塗りのパターンについて
塗りのパターンを使用する場合は、必ず「分割・拡張」処理を行ってください。
塗りのパターンとは、スウォッチパネルにデザインパターンを登録し、塗りやブラシとして使用できる機能のことです。
この塗りのパターンを使用する場合は、必ず「分割・拡張」処理を行ってください。
そのままご入稿頂くと、印刷の際にパターンの絵柄がずれる、意図した見え方と異なった仕上がりになる等、
予期せぬトラブルが発生する可能性がございます。
〔手順〕
塗りパターンを使用しているオブジェクトを選択し、
「オブジェクト」→「分割・拡張」→設定画面で「塗り」「線」にチェックを入れてOKをクリックしてください。
パターンを使用したオブジェクトがパス化されたかどうか確認してください。
オーバープリントについて
オーバープリント設定は使用しないでください
オーバープリント設定はトラブルの原因となります。トラブルを避けるためにも、オーバープリントのチェックは必ず外して入稿してください。
【ご注意下さい】オーバープリント設定は弊社で確認いたしません。ご入稿前にお客様自身でご確認ください。
オーバープリントとは? オーバープリントとは、上に配置されている文字や図形オブジェクトと下に配置されている文字や図形オブジェクトのカラーが重なった状態で印刷する機能のことです。 |
白(CMYKすべて0%)色のオブジェクトにオーバープリントが設定されていると、白色のインクはありませんので、透明となりそのオブジェクトは印刷されません。
白以外の色の場合でも、透明効果の乗算のように下の図柄が透けたりと予期せぬ仕上がりになる恐れがあります。
弊社ではオーバープリント設定確認は行いません。必ずご入稿前にお客様自身でご確認ください。
〔手順〕
「属性」→「塗りにオーバープリント」「線にオーバープリント」のチェックを外してください
〔オーバープリント状態の確認手順〕
「表示」→「オーバープリントプレビュー」にチェックを入れると
オーバープリント状態を画面上で確認することができます。
ヘアラインについて
細い線にご注意ください。
ヘアラインとは、「線幅(太さ)が限りなくゼロにちかい極細線(罫線)」のことを言います。
画面では、ある程度の太さのある線として表現されることがありますが、印刷では、かすれたり消えてしまったりと、きちんと印刷されません。
罫線は必ず0.3pt以上の線幅(太さ)を設定してください。
0.3pt以下の細線は、印刷時にかすれたり消えてしまったりする場合があります。
※0.3pt以上の線幅でも、色の薄い場合等はかすれる場合もございます。
保存形式について
Illustratorの保存形式は「.ai」です。
保存形式は「Adobe Illustrator」形式で保存していただければ問題ありません。
(拡張子は「.ai 」となります)
※「PDF互換ファイルを作成」のチェックを必ず付けて保存してください。
Illustrator入稿時の推奨保存形式(.ai)の設定
「データの再入稿」や「データの容量が非常に大きくなる場合」について
また、データの容量が非常に大きくなる場合(1GB以上になる場合等)は、PDF形式に書き出したデータのご入稿をお願いする場合がございます。予めご了承くださいませ。
IllustratorからPDF形式で保存する方法
IllustratorからPDF形式で保存する方法
IllustratorからPDF形式で保存する場合は、塗りたしを含めたサイズで書き出してください。
IllustratorからPDF形式で保存する場合は、下記の手順で保存してください。
PDFは必ず「塗り足しを含めたサイズ」になるように書き出してください。
他、データ作成の注意点
パンフレットや冊子などは、ページごとにデータを作成するため、複数データとなります。
そのため、ページ順が変わってしまうようなトラブルを防ぐため、ファイル名のつけ方等は下記の点に注意してください。
(1)ファイル名はどのデータが何ページ目か分かりやすくするため、ページ数などを名前にしてください。
例 「p01.ai」 「p02.ai」 「hyo1.ai」「hyo4.ai」など
(2)印刷に不要なデータ(アウトライン前のデータや印刷しないデータなど)を一緒に送らないようにご注意下さい。
必ず、印刷に必要なデータのみをお送りください。
(3)ページ番号(ノンブル)が必要な場合は、必ずお客様で付けていただくようにお願いいたします。
当社でノンブルをつけることはございません。